
人類学者の磯野真穂とがん治療を続ける哲学者である宮野真生子はふとしたことから出会い、往復書簡を交わすようになります。その二人のやりとりがそのまま本書になりました。
がんという病の存在を発端に、身体、リスク、死などのテーマについて二人はお互いの専門性をもとに言葉を交換しあいます。そんな最中、宮野の病状が悪化し、まさに「急に具合が悪くなる」のです。
がんと対峙する宮野に対し、磯野はどんな言葉を送るのか。そして宮野はどう答えるのか。お互いの言葉のやりとりが、これ以上はないほどに二人の関係性を育んでいくと同時に、物語が進むにつれ、その関係にも終わりが迫ってきます。こんなお二人のやりとりを読むことで、私たちは自分が他人や死、あるいは人生のリスクとどう向き合ってきたのかを考えざるをえなくなります。普段は考えないような問いについて、考えさせられる本です。
奇しくも本書は、原著に感激した濱口竜介(話題作『ドライブ・マイカー』の監督でもあります)によって今年映画化され、カンヌ映画祭など海外で高い評価を得ました。日本でも公開され、今年の話題作の一つとなるとともに、原作である本書も10万部を突破し数多くの人から激賞されています。このタイミングで、お二人が魂を込めて絞り出した本書を一緒に読みませんか。
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